2025-09-08
2025年9月8日
セルアクシア株式会社
広島大学との共同研究成果の発表のお知らせ
~第67回歯科基礎医学会学術大会~
2025年9月6日に福岡県北九州市で開催された第67回歯科基礎医学会学術大会におきまして、以下の通り「3D-DCob」*1を用いた新規骨再生細胞治療法の開発に関する発表がありましたので、お知らせします。
演題 :「ダイレクトコンバージョンと三次元培養を用いた新規骨再生細胞治療法開発」
発表者 :広島大学病院口腔検査センター 加治屋 幹人 教授
発表日 :2025年9月6日(土)
セッション:アップデートシンポジウム9
「組織工学および情報工学を融合した歯科医学研究」
会場 :北九州国際会議場
- 本共同研究は、国立大学法人広島大学病院 口腔検査センター(口腔先端治療開発学) 加治屋幹人教授の保有する3次元的細胞集塊培養技術と当社が保有するダイレクトコンバージョン技術*2を融合した新しい概念の骨再生細胞治療法の研究です。
この共同研究から生まれた3次元骨様組織「3D-DCob」は、人工材料を含まずに機能的な骨芽細胞とその骨芽細胞自身が産生する骨基質タンパク質で構成され、画期的な新規の骨再生細胞治療法として、強力な骨造成効果と高い安全性が期待されます。 - また、当社が開発を進める本開発品の特徴は、その優れた骨造成効果だけでなく、実用化に重要な「シンプルな製造法」にあります。薬機法に基づく再生医療等製品は、医薬品と異なり製品の品質が不均質なことから、厳格な製造工程管理が求められ、通常、製造コストが高額になりやすく、実用化時のスケールアップでも高額な製造設備を要することも多いことから、細胞治療薬の製造は採算が合わない場合があります。本開発品は製造工程の単純化/最小化によりこれらの懸念を払拭し、適切な製造コスト管理が可能です。
【用語説明】
*1 3D-DCob(スリーディー・ディーコブ)
当社が実用化を目指して開発を進めている新規骨再生細胞治療薬。線維芽細胞から骨芽細胞に直接転換させるDirect conversion法(ダイレクトコンバージョン法)と3次元的細胞集塊培養技術を組み合わせ、人工材料を含まずに機能的な骨芽細胞とその骨芽細胞自身が産生する骨基質タンパク質で構成される3次元骨様組織
*2 ダイレクトコンバージョン法
本来、体の組織・臓器を構成する細胞(体細胞)の運命は一度決定したら変更されることはありませんが、近年のゲノムリプログラミング研究の目覚ましい発展により、特定の条件を満たすことで分化能を有する多能性細胞を介することなく、体細胞(線維芽細胞等)から目的の体細胞(骨芽細胞等)に直接転換(ダイレクトコンバージョン)する現象が見いだされ、将来の革新的医療を担う新技術として注目されています。セルアクシアが開発を進める新技術ダイレクトコンバージョン法は、患者さんから容易な方法で非侵襲的に採取できる線維芽細胞を原料として、短期間の簡易な製造工程で目的とする体細胞(骨芽細胞など)を作り出すことができます。この技術を応用することで治療に有用な様々な体細胞を創製し、画期的な医療技術として実用化することが期待されます。